江戸時代、上方(大坂や京都を始めとする畿内)から、江戸に酒を運搬していました。特に灘・伊丹・伏見の酒は下り酒として、評判が良かったそうです。
はじめは、二斗樽(36リットル樽)を馬の背に振り分けて陸路運送や、菱垣廻船にて他の商品と一緒に海上運送されていました。しかし、運送時間の短い酒荷運送専門の樽廻船の登場により、海上輸送が主流となります。この頃には、樽のサイズも大きくなり、四斗樽(72リットルサイズ)となりました。
樽が大きくなり困るのが、酒樽の破損です。破損を防ぐ目的で、酒樽に菰(こも)を巻き付けたのが、菰樽(菰冠樽:こもかぶりたる)の始まりといわれています。